自己紹介

Profile

畑中 伊紀  
Hatanaka Tadanori

三重県熊野市生まれ。高山光氏に師事。
高山氏のもとで5年間修業した後、03年御浜町(三重)に開窯(馬明窯)、独立。
世界遺産でもある熊野の温暖な気候と自然に囲まれた工房にて独自の作風を追究している。
土の様々な可能性を見出し、その過程における今昔の技術を織り交ぜながら、現代の焼き物を追求する。

作品について

今制作している作品について

独立した頃から作り続けている「銹炻」シリーズは、
陶でありながら朽ちた金属を匂わせる作品でその風合いをそのころから好んで制作しています。土の持つ雰囲気に金属的な質感を加えることで錯覚的な親和感が魅力的だと感じ、現在も手を加えながら制作を続け、最近では「繕い」と題した新しい技法も生まれました。

もう一つのスタンダードである「乾いた白」シリーズは、
これも初期の頃から制作をはじめ、土の柔らかさ、ざらつきながらもなめらかな触感がおもしろく、その雰囲気や特性から主に花器やオブジェなどに多く制作しています。今もマイナーチェンジを重ねながら、近年は「旱に雨」と題した新たな技法も始めました。

一方、食器に関しては粉引の作品を多く制作しています。
一言で粉引といってもバリエーションは様々で作家によって表情を変えるのが醍醐味でしょう。白化粧に透明釉というシンプルな構成ながら奥が深くて、年々に自分のものになってきたと感じています。

こうして基本となるこれらを同時進行していきながら、さらに現在もおもしろいと思ったことを積極的に取り入れ、制作していくのが自分のスタイルになっています。制作への新鮮味、新しいことに挑戦する楽しみ、知識の幅を広げることによる深化など理由はありますが、無限にあるやきものの中から自分らしい作品に辿り着きたいとおもっています。